【ビジネス】できるリーダーは、「これ」しかやらない

できるリーダーは、「これ」しかやらない メンバーが自ら動き出す「任せ方」のコツ
著者:伊庭 正康  出版:PHP研究所

おすすめ度:★★★☆☆

部下へ仕事を任せられず、自分の業務に追われるプレイングリーダーの方が一読されると良い本かと思います。良くも悪くも他のリーダー指南書と同様の内容が記載されている点もありますが、リーダーの苦悩、ジレンマに対する対処方法がわかりやすく書かれているため、スムーズに理解できます。すでにリーダーとして活躍されている方も、改めて認識しなおすことができる本です。

今回の本はこちら → 「できるリーダーは、「これ」しかやらない

部下がワクワクしているか

リーダーの皆さんに質問です。

部下をワクワクさせていますか?

自信をもって「はい」と答えられるリーダーは少ないのではないでしょうか。

ワクワクとは、「部下やメンバーが挑戦を楽しんでおり、仕事を通じて成長を感じている状態」
と、この本では述べられています。

管理人
管理人

ワクワクしているかどうか、わからない

仕事には様々な制約(就労時間、期限、目標達成など)があり
ワクワクよりも、成果を求めるべきなんじゃない?


そもそも、リーダーの皆さん自身は、「ワクワク」していますか?

毎日の激務、上司からの無茶ぶり、部下からの相談に乗れない自己嫌悪、自分のタスクもあるし、チームがうまくいっていない…リーダー失格ではないか? と、悩んでいるのではないでしょうか。

「いかに速くやるか」ではなく、「いかに任せていくか」を考えるしか方法はない

著者である伊庭さんはこのように言っています。

自分ひとりでは仕事のアウトプットに限界があります。
仕事を手分けする、もっと部下や仲間に頼ることが必要であり、「任せる力」が不可欠です。

任せたいけど任せられないんだよ。自分でやったほうが早いし、出来栄えもいいし。教える手間もかかる…

この考え方の本音は、部下のスキル不足が原因で「任せられない」のではなく、自分がやったほうがベターだと思っているので「任せたくない」ではないでしょうか。

これ、仕事ができる人にありがちです。

部下を信用していないわけではないのですが、今までの”その業務”の経験値が高いため、細かいところも気になり、自分なりの成果のフォーマットがあることから、そのように考えてしまうのではないでしょうか。
自分が過去に成果を出した方法と同じようにやってくれれば…と。

それはエゴである とこの本では述べられています。

自分以外の「他者の能力」を活かし、組織を成長させるのがリーダーの務め

任せる覚悟はあるか
放任ではなく、「任せる」をすること

いざ、仕事を部下に任せる際によくあるトラブルで「放置」があります。

上司
上司

任せるためにも、あまり口をはさまないようにしなきゃ。部下自身で考えてほしい!自主的に進捗報告や相談を待とう

部下
部下

放置されている…関心をもってくれない

もっとしっかり見てほしい

上司
上司

放置しているつもりはないのに…どうすればいいの?

ここでの問題点は、「任せる」と「放任」の混同だと述べられています。

例えば

【任せる】部下がやっている作業を「具体的」に答えられる
【放任】 曖昧にしか答えられない

【任せる】部下が感じる”不便・不安・不満”を「事実」で答えられる
【放任】 憶測でしか答えられない

【任せる】やったことに対して、フィードバックを行う(感謝)

部下の仕事への取組み状況や、そのときの課題や不満などを把握しようとしていますか?
仕事を指示した後、良かれと思って報告しにくるまでは任せる(=放置)のでは、部下からすると、「これやっといて」のような放任になっている可能性があるので注意です。

人は必ず変わる、部下のノビシロに期待するなら、リーダーの経験を封印すること

任せる覚悟が部下を覚醒させる
リーダーの経験を封印して、部下に「経験させる」

仕事を任して、失敗してもいいので経験させることが理想のリーダーである、と述べています。

仕事を任せる際、経験を通じて、「何を学んでほしいのか」を考えることで、部下の成長を促してあげましょう。

例えば、次のリーダーを育てたいのであれば、チーム全体をみる仕事の一部を任せるなど、いきなり全部を任せるのではなく、育てたい能力に対し、仕事を小分けにして与えてみると良いようです。

管理人
管理人

つい、自分のやり方をポロっと教えてしまうときがあります。

そのやり方に至る思考も重要だと認識しました。

部下のレベルに合わせて、以下のコミュニケーションを意識してみてください。

ティーチング(新人)
コーチング(中堅)
まとめ

リーダーの立場目線での悩みに対する解決策が、丁寧にわかりやすく書かれている本でした。

当たり前のことも書かれていますが、それは「奇をてらっていない」からだと思います。
読み進める中で、すでに意識していたことなども書かれているので、「この点は間違っていないんだ、良かった」と自身の考えに安心できることもあるかと思います。

伊庭さんは、以下のアドバイスも述べてくれています。

リーダーは、全員から好かれる必要はない
反対されても気にしすぎない

リーダーにとって、迷ったときに読むと立ち返ることができる本ではないでしょうか。
ぜひ一読してみてください。

今回の本はこちら → 「できるリーダーは、「これ」しかやらない


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